3月21日「国際人種差別撤廃の日」

3月21日は国際人種差別撤廃の日となります。
1966年に国際連合で制定されました。

アパルトヘイトという言葉を見覚えのある方も多いでしょう。
これは南アフリカにて起きた
人種隔離とその政策の事であり
1948年から1990年代まで実施された
偏見に満ちた愚かな政策です。
当然ながらこの政策には国内で反対がありデモも多数ありました。
1960.03.21(月)には
アパルトヘイト反対運動に対し政府の銃撃による鎮圧があり、
後にシャープビル虐殺事件と呼ばれ
69人が命を落としました。
3月21日というのはこの事件が由来となっています。
ちなみに、アパルトヘイトが廃止されてから
南アフリカではこの日を人権の日として制定されました。
シャープビルというのは地名でして
南アフリカ最大の都市ヨハネスブルク近郊にあります。
このヨハネスブルクという場所は
2010年サッカーワールドカップの決勝の舞台ともなっており
記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。

1960年代というのは人種差別撤廃の
機運が高まった時期でもあります。
というのも1963.08.28(水)リンカーン記念館にて
I have a dream
(読み:アイ・ハブ・ア・ドリーム/意味:私には夢がある)
でお馴染みのある方の演説が行われました。
そう、アメリカでの人種差別撤廃を呼びかけ続けた
マーティン・キング牧師の演説です。
意外にも演説は全て原稿通りではなく
一部は即興(いわゆるアドリブ)だったそうです。
私には夢があるの意味の言葉も本来原稿にはないものだったらしく、
終盤の言葉は多くがアドリブであり
黒人として不遇の中での想いや願いをありのまま訴えたものでもあり、
それが当時、多くの人々の心に響くものとなりました。
これは後に20世紀を代表する
アメリカの名演説として高い評価を得まして、
1964年には公民権法と呼ばれる、
人種差別を撤廃する旨の法案が提出となり議会で可決しました。
当時は黒人奴隷制度の名残りがありまして
駅・便所・飲食店では白人用、黒人用というような形で
人種分けされてましたが公民権の可決により
それらに終止符が打たれることになったという訳です。
さらに同年には当時のアメリカでは
最年少でのノーベル賞平和部門も受賞しました。
(受賞理由は例の演説だけではなく
それまでの地道な活動への評価なんですがね)
これもあってか1965年には
国際連合にて人種差別廃止条約というのが結ばれ
1969年に条約が始まりました。
残念ながらマーティン・キング牧師は前の年となる
1968年に暗殺されお亡くなりになっています。
数十年も後にはご存知の通り、
黒人初となるバラク・オバマ現大統領が誕生となりました。
長きに渡るの不遇の歴史を辿ると
なんとも涙腺が緩みそうな歩みですよね、うん。
余談ですが、3月21日から1週間は
人種差別と闘う人々との連帯週間となっているそうです。
最後に、演説での動画と日本語字幕版が現時点でYoutubeにありませんでしたので
演説の和訳文を貼っておきましょう。

マーティン・キング牧師・1963-08-28演説
和訳文(在日アメリカ大使館)
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-king.html


2014.03.22  【補足】